ほとんどの人は家を買うのは一生に1回かと思います
それなのに今まで生きてきた中で家について学ぶ機会って無いですよね?
他の買い物だと、たくさん買い物の経験をする事で
相場がわかり、質がわかり、選択が出来、自分に合った物を選びます
しかし住宅購入になると経験が無い中での購入になりますので、
相場もわからず、自分で選択できず(選択してるつもりでも誘導されている事が多い)に購入するので、
せっかく買った家なのに本当に自分に合った物かわかりませんよね?
大体の人は、家の近くにある住宅展示場を見学→気になったハウスメーカーからの営業→
そのままの流れで契約→購入へ、、、といった形かなと思います
住宅の購入をしようかな?、リフォームしようかな?と思ったら、
住宅展示場行ったり、リフォーム業者に見積依頼する前に
こちらの本を読んでいただければご自身の考えの軸となる基礎が乗っておりますので、
営業マンや業者に流されず、後悔しない計画が建てられると思います!
概要
まずは著書の概要となります
著者:松尾 和也
引用元:Amazon.co.jp『ホントは安いエコハウス』
価格:2420円(Amazon通常価格)
単行本: 208ページ
出版社:日経BP (2017/7/21)
言語:日本語
ISBN-10:4822238385
ISBN-13:978-4822238384
発売日:2017/7/21
著者の松尾 和也氏は兵庫県で『松尾設計室』という
一級建築士設計事務所の代表の方となります。
毎年、工務店等の実務者向けへ講演等を行っております
またYouTubeでも動画配信をされており、
本書で書かれている内容も配信しているのですが、
素人の施主側から見ても大変わかりやすいです
プロ向けに講演しているような専門的な内容でも、
本書で大変わかりやすく図やイラストを多く用いて書かれております!!

本書を読んで良かった点
- フルカラーで読みやすい
- 図解・写真を多く使って説明してくれる
- 数字・グラフで客観的な比較で説明の根拠を示してくれている
- 専門的過ぎず、素人の施主でも読み進めやすい
- 住宅の肝の要点が掴める
とにかく読みやすい印象でした!!
家の中でめっちゃ大切なところが明確になりました
エコハウス??

そもそもエコハウスとは??と疑問を持ちました
全般的に用いられているエコハウスというのは、
自然素材をたっぷり使った家です、
国が定めている次世代省エネ基準を満たし、
太陽光発電を設置のエコハウスです
などと多用されているようです
自然=エコ、省エネ=エコなのでなるほど〜って思ってしまいそうですが、
こと日本においては、そうも言えないのが事実と書かれていました
じゃあ、本当のエコハウスは?というと、
エコハウス=持続可能性(サスティナビリティ)!!
住宅にとっての持続可能性
日本だと木造の戸建ては22年で価値が無くなり、
30年しか住めない、30年超えたら建替や大規模リフォームが普通ですよね
一方、アメリカや欧米等の諸外国では事情が大きく事なります
戸建ての価値なんて逆に値上がりするし、
30年どころか50年、100年前の家でも
十分に住めている事実があります
日本の事情を諸外国と並列に単純に比べてはいけないかもしれませんが、
そこまで住宅の常識が違うってのは衝撃でした
本書で書かれているのは、
住宅環境が非常に遅れている日本と諸外国を比較し、
現実的に可能な具体的な事例や方法を用いて、
一つ一つ書かれております
エアコンは冷暖房機器の超優等生???

具体的な事例の最初がエアコンでした
エアコン??めっちゃ電気食うやつじゃないの!?って、
直感的に思ってしまいました
本書を読み進めていくと、
- そもそもエアコンは電気代(熱量)を食っていない
冷房・暖房の2役が出来る
さらに除湿まで出来、1人3役を兼ねている
電気代は灯油ファンヒーターやガスファンヒーターとの比較を、
図解で説明しておりわかりやすく書かれていたり、
各機器が出来る機能(冷房や暖房)も図解でわかりやすいです!
また真夏や冬場に議論になる間欠運転と連続運転問題も、
しっかり斬ってくれています!
さらにみんなが当たり前にやっているエアコン選びにも
一石を投じています
私もですがエアコンの風が苦手で、
風に当たりすぎると具合が悪くなったりします
そういった苦手になる理由の大きな点が、
建物の断熱性能と書かれておりました
「窓」後進国ニッポン

技術大国ニッポン(古い)と思っておりましたが、
窓の技術や質や流通は後進国だったんです!!
それなのに窓が断熱性能に一番大きく関わっているくらい
まず最初に対処する箇所だと書かれておりました!
冬場の寒さや夏の暑さが入ってくる箇所の中で、
ダントツ窓の割合が大きく約60~70%とめちゃくちゃ高いようです!
ヨーロッパで窓の性能基準として定められているのが1~2W/㎡・Kに対し、
日本の次世代省エネ基準というめっちゃすごそうな基準ですら、
東京や大阪などの地域だと4.65W/㎡・Kです
ヨーロッパだけでなく中国や韓国でも1.5~2/5W/㎡・Kなので、
いかに日本が遅れているかがよくわかります
※W/㎡・Kとは…熱貫流率といい熱を通す量をいい、数値が小さいほど高性能
数値が小さいほど熱を通さないという事ですね
豆知識…欧米では「結露は瑕疵」⇦日本と大違いですよ…
リフォームでは断熱と改修に効く住宅設備が肝

次はリフォームの肝が書かれておりました
先ほどから出ている「断熱」について多くページが割かれていました
リフォームする≒築年数が古い家≒高齢者が住んでいる、といった感じが多いです
高齢者の方で気をつけないといけないのが「ヒートショック」「脳卒中」
急激な気温差で血圧が急上昇してしまうやつですね
断熱性能が低い家だと場所ごとの気温差があり、
特に浴室やトイレが挙げられます
つまりリフォームでは断熱性能をコスパ良く上げるかが肝で、
先の症状発生の予防になり健康に過ごせ、
結果的に医療費や介護の抑制に繋がるとも書かれております
さらに家が夏涼しく、冬暖かくなりますので、
冷暖房費の抑制に直結します

住宅設備のリフォームで特に注目すべきが、
電気温水器をエコキュート等へ変更する
食洗機の導入
になります
電気温水器からエコキュート等の高効率機器へ交換すると、
エネルギー消費が半分以下、3分の1近くになるものもありますので、
節電効果が非常に高い=コスパが良いです
また食洗機を導入する=家事を機械にお任せする事となりますので、
家事の時間が縮小され、自分の時間や家族団らんの時間にする事で、
生活が豊かになる大切な事と書かれておりました
住宅設計の本質
最後には工務店などの実務者向けな箇所かなと思うところもありますが、
本当のエコハウスの設計や思想が書かれておりました
住宅の本質は、「断熱」「気密」「パッシブ(自然)」だということです
先に書いた「窓」の重要性、コスパの高い「断熱」、
さらに建てる土地での太陽の入り方や方位、周辺環境など
様々な条件を考慮した上での設計方法が書かれております
実際に建てられた家も事例としてあり、
施主としてわかっていて損しない事ばかりです!!

まとめ
本書で書かれている内容の中で専門的な内容もあります
ただ、図解や写真を多く用いて素人の施主でもわかりやすく工夫もされ、
逆に数字やグラフを用いる事で納得感が得られます!
家は一生で一番高い買い物なんじゃ無いかなと思いますので、
どんな人でも家を検討し始めたら絶対に読んだ方が良いと思います
以上です
読んでいただきありがとうございました!!
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