こんにちわ!
先日『エコハウスのウソ2』の前半部分となる「変わる常識」基本編を
ご紹介しました
今回は後半部分の「変わらない真実」対策編をご紹介!
菅総理が2050年までにカーボンニュートラルにすると発信しました
カーボンニュートラルとは
二酸化炭素排出量を実質ゼロにする、という事です!
カーボンニュートラルに向けて電気自動車の普及を進めるなどの情報が流れております
現在、河野大臣を中心に
再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースという会議があります
その中で戸建て住宅の会議もありました
そちらの会議に著者の前先生も参加されています!
YouTubeで見れるので一度下記の動画を見てください!

真のエコハウスとは?変わらない真実対策編
ここからは変わらない真実として対策編が書かれております
具体的な記載が多く、取り入れるべきポイント多数です
冬も快適に過ごせる?

今住んでいるアパートも冬寒いです 特に窓からの隙間風が寒い!
でも暖房の風も好きじゃないし、
電気代も気になって毎日24時間連続で使えません
著自分の感覚が多くの人と一緒なのが著書を見ると理解出来ました
建物外皮
冬における最適な作用温度(≒体感温度)は24℃
作用温度24℃の確保する為には建物外皮の断熱気密が重要!
しかし現在、性能として求められている「断熱等級4」では
快適な作用温度を達成するのは非常に困難です
低断熱の住宅では局所不快となる温度差が顕著に現れてきます
・主な局所不快
- 上下温度差
- 床表面温度
- 気流(吹き出し空気)
- 放射不均一(窓のそばが寒い)
局所不快を解消するには、
建物内の温度差を少なくする、
エアコン吹き出し風を人に当てない、
寒くなりにくい高性能な窓にするなどになります
つまり、
「高断熱・高気密な外皮」&「全館24時間空調」
組み合わせる事が唯一の方法!!
窓

結論は、
- ガラスやフレームは必ず高断熱タイプを選択
- 大きさ・開き方を慎重に検討
そうすればポツ窓にせずとも高断熱にする事が可能です
窓は外皮断熱の最大の弱点です
建物の中で窓は一番多く暖かい空気を逃がし、
夏の暑い外気を入れる場所です
つまり低性能の窓を不用意に多くすると、
低断熱になりやすいという事と言い換えられます
現在の断熱指標はUA値を用いられます
※UA値=壁床天井からの熱損失
過去の断熱指標はQ値を用いており、
Q値はUA値の値に加え、換気数値も加味されていました
恐らく省エネ施策の簡便化の強い影響で、
UA値に置き換わった可能性が高いと書かれております
簡単にUA値を上げる為には、
窓を少なくし、小さくすると数値が向上します
しかし不用意に少なく・小さくすると、
冬の日射取得で大切な窓なども小さくなり、
本末転倒になってしまうので要注意ですね

高断熱タイプの窓を選ぶ
窓を減らす・小さくするよりも窓の性能の向上が大切です
今はガラス樹脂サッシ&ペアガラスが主流
アルミサッシ・シングルガラスと比較すれば、
もちろん高性能です
ただし、十分な性能とは言えません
YKK APの検証によるとガラスとサッシ温度が下記の通りになっています
室内温度 20℃の場合 | アルミサッシ& シングルガラス | アルミ樹脂& ペアガラス | フル樹脂& Low-Eペア | フル樹脂& Low-Eトリプル |
ガラス温度 | 4.9℃ | 13.3℃ | 16.9℃ | 18.6℃ |
サッシ温度 | 0.1℃ | 9.7℃ | 15.7℃ | 15.3℃ |
Uw値 | 5.8 | 2.5 | 1.3 | 0.9 |
アルミ樹脂サッシでは快適な温度とも言えず、
まだまだ多くの熱を逃がしてしまうのが現実になります
大きさ・開き方

もう少し詳しく説明していきます
窓の性能を更に向上させるには2点あります
- フレーム面積を小さくする
- 引き違いからFIX・片引きタイプにする
先にYKK APが検証したデータによると、
ガラスよりサッシの方が温度が低いです
つまりガラスよりサッシ(フレーム)の方が熱を逃がします
言い換えれば窓のフレーム面積を小さくすると熱が逃げにくくなります
同様に引き違い窓よりFIX・片引き窓の方がフレーム面積が小さいです
三層Low-Eガラス・樹脂フレームの場合は下記の通りです
FIX窓 | 片引き窓 | 引き違い窓 | |
フレーム面積 | 11.8% | 19.9% | 25.1% |
Uw値 | 0.79 | 1.02 | 1.15 |
ちなみに私が今建築中の家では主に片引き窓を採用しており、
採光のための窓はFIX窓を採用しました
全館24時間暖房は高くつく?

暖房器具はいくつかあります
- 床暖房
- 石油ストーブ
- ファンヒーター
- エアコン
夏の冷房機器はエアコンが主流ですが、
冬の暖房機器もエアコンを使えると、
設備コストを抑えられて都合が良いです
ただし私のアパートのように断熱・気密性能が低いと、
エアコンから高音の空気が吹き出されてしまい
温度差+乾燥感が出てしまいます
そこで床暖房やストーブが用いられる事となり、
設備コストを抑えるのが難しくなってしまうんですね
建物外皮が高断熱・高気密な場合だと、
エアコンの吹き出し温度を下げられ、
ぬるい空気が吹き出され
床まで届くので足元まで暖かいです

冬の無暖房化は無理?
- 暖房負荷の熱損失を減らす
- 窓全体の最適化
この2つがカギになります
南面に大きな窓を設置する際、
夏の冷房費用を抑える為に「日射遮蔽タイプ」を
選択するケースが多いですが、
残念なチョイスと書かれております
日射遮蔽タイプと日射取得タイプの
熱損失は同じくらいだけど、
熱取得は約2倍の差があります
つまり熱損失を減らす為に南の窓に
「日射取得タイプ」を選択する
夏の暑さ対策

日本の住宅は古くから「遮熱」がメインです
しかし近年の温暖化に伴い、
年に数日猛暑日も計測されており「遮熱」での
暑さ対策はもはや無理です
躊躇せず冷房を使用してください!
建物外皮強化
では冷房を付けたらどのような環境が最適かと言うと、
「代謝熱量≒放熱量」のバランスが良い、
「局所不快がない」事となります
冬と同じ条件ですが、
夏の最大の不快要因は「高温の天井」
つまり夏の不快原因も実は「建物性能の低さ」です
高温の外気、屋根から伝わる日射熱と、
エアコンの冷たい空気で上下温度差が生じ、
大きな不快を感じる事になってしまいます
基本は夏の暑さ対策も冬の寒さ対策と同じで、
建物外皮の性能を向上させれば、
高温の外気、日射の熱を防ぐ事が出来ます
部屋内側の温度が低く保たれ、
エアコンもぬるい空気で十分になりますので、
上下温度差が解消されて快適です
日射遮熱は軒や庇で安心?

結論
- 設計段階で太陽位置からの日射遮蔽・日射取得の検討
- 窓の外側にブラインド等の設置
現在の建築物省エネ法での夏の日射遮熱性能については、
床面積あたりの日射取得量から外皮面積の日射取得量に変更されています
更に4地域以北では性能基準値自体が撤廃されました
また軒・庇以外での日射遮蔽の手法は、
カーテン・屋内ブラインドから簾やよしずなど
手軽な後付け方法がいくつかあります
しかし性能基準値に反映されるのは和障子と外ブラインドのみです
そのために日射遮蔽値を向上させる為に、
前述した日射遮蔽タイプの窓を採用する考えになりがちです
そのため、寒い地域は軒も庇もない家になり、
他の地域では基準値を満たす為に「日射遮蔽タイプ」の窓を付けて、
中途半端な日射遮蔽かつ冬の日射取得を大きく損ない、
冬の暖房負荷が増大してしまいます
大切な事は、
まずは建てる土地の太陽位置を考慮した家の設計を行い、
設計で防ぎきれない日射遮蔽を外ブラインド等でカバー
※下記でオーダーカーテンの見積が取れます
空気とお湯
花粉対策は空気清浄機?

結論
- 空気清浄機は脇役
- メインは換気の給気口にフィルター設置
私も花粉症です、本当に辛い時期ですよね
空気清浄機に活躍して欲しいです
しかし一般的な空気清浄機の仕組み上、「集じん」「脱臭」の機能です
更に性能としては日本電機工業会(JEMA)の規格に準じたものであり、
もっぱらたばこの煙で汚れた空気の
粉じんと臭いの除去となっています
空気清浄機での花粉対策だと不十分なので、
どうすればいいんでしょうか?
花粉は室内では発生せず、全て外からの侵入です
つまり、
- 侵入防止:給気口に花粉除去フィルター
- 侵入防止:室内干し・衣類乾燥機
- 室内侵入:床掃除 特に水拭きor紙パック式掃除機
換気設備設置さえすればOK?

結論
メンテナンスが生命線
フィルター等の清掃のしやすさが大事
住宅の換気設備=浴室やトイレにある換気扇のイメージがあります
短時間動かして臭い等を出す換気を「局所換気」と呼ばれます
局所換気だとリビングや他の部屋の部屋を入れ替える事はほとんどありません
しかし従来の気密性が低い家では、
勝手に家から空気が漏れるし、窓を開けて自然換気も行っています
1980年ごろから建物の気密化と同時に化学物質を用いた合成建材の利用が増え、
結果として1990年代に「シックハウス症候群」が大きな問題となりました
2003年、シックハウス症候群の解決に向け、
建築基準法が改正され、
機械換気設備の設置を義務化されました
ただし、建築基準法改正の問題になったのが、
機械換気設備の設計・施工・運用が適切に行われなかった事です
つまりただ設置しただけだし、
居住者も設置の目的を理解せず電源を切る事が多くなってしまった

どんな設計・施工が良いの?
- 換気ユニットは省電力型
- ファンのモーターは高効率な「DCブラシレス」
- ダクトは太く、滑らかに
- ダクトはスパイラルダクト
メンテナンス
何より大切なメンテナンス
フィルターや防虫網が詰まると機能出来なくなるので、
簡単に清掃出来る事が大切
- 第一種換気:フィルターボックスをアクセスしやすい場所に設置
- 第三種換気:上階の給気口を足場を儲けなくても届く位置に設置
換気すると寒い?

結論
- 第三種換気は給気口位置の工夫をする
- 排気の熱を給気に使う熱交換換気の採用の検討
換気は室内空気質を保つ為に必須となります
一方、高気密高断熱住宅では換気による熱損失を無視出来ない
特に無暖房化の実現には必須です
給気口
給気口は上吹き出し型を採用
冷たい空気が速やかに暖められる位置に配置
プラスアルファで湿度センサーを用いたデマンド換気も良い
熱交換換気
熱交換換気は紙に似た素材や樹脂・アルミなどの熱交換素子を利用し、
給気・排気を交互に通過させて熱を移動する仕組みです
・性能を選ぶポイント
- 熱交換率が100%に近い
- 有効換気量率が100%に近い
給湯はすごいエネルギーを使う?

結論
- 住宅省エネの最重要設備と認識する
- 必ず高効率タイプを選択する
- 「節湯」もコスパが良いので積極的に採用
高効率給湯機
給湯は住宅で2番目にCO2排出量が多いです
※1番は照明・家電
2000年以前は浴室・台所それぞれに湯沸かし器を設置する「個別給湯」、
2000年以降はエコキュート・エコジョーズ・エコウィル等の高効率な給湯機が続々登場
住宅の省エネで高効率給湯機が「要」

節湯
節湯処置は建築物省エネ法でも多く取り上げられており、
給湯省エネのカギ!
節湯の採用したいポイント
- 浴槽
- キッチン水洗
- シャワー
- 配管の口径を小さくする
例えば浴槽だと最近は従来品の70%の水量で、
従来品と同じ水位で入浴出来る工夫されているものもあります
節湯はガス代と水道代の両方を節約出来る一石二鳥でコスパが高いです
まとめ
著書の最後に書いてあるのが
誰でもエコハウスに住むことが出来る
絶対に諦めない事
と書かれております
1つの対策だけを突き詰めるのではなく、
全項目で80点を取る方が、
必要十分な性能+リーズナブルに実現出来ます

「差別化」に惑わされず学び続けるご自身の地域にいる
優良事業者を見つけましょう!
以上です
読んでいただきありがとうございました!
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